2018年1月30日火曜日

【No91】<技術士あるある臨時版>あなたの専門は?


ここで、臨時版を投稿します。

理由は、業務経歴や論文を添削していて共通して考えてほしいことが
あったからです。

No76】でも書きましたが、再度触れます。

多くの受験生は、7年間の実務経験(2年間大学院も経験)している方
だと考えます。

ある組織の中で、ある製品やサービスを設計等されている方が多い
と思います。

その製品やサービスを具現化する作業によって、
社会貢献を果たすのが企業や組織の務めです。

皆さんは、製品やサービスを具現化する「ある要素」を担当されているでしょう。

ここで質問。

「製品やサービスを具現化するために必要な知識と経験は何でしょうか?」

ただし、知識は工学・法令・倫理・規格等ありますが、工学で考えてください。


答えは、

工学・・・選択科目

経験・・・業務

です。



技術士は、第1条にある「専門的応用能力」をもって設計・計画・・・をする人
です。

目的は、科学技術の向上と国民経済の発展に資するです。

皆さんの工学的知識と倫理観・プロフェッショナルとしての経験が技術士に
求められています。

「ある要素」の専門家・・・それを経歴や論文で示してください。

教科書的なことや、抽象的な内容は不合格です。

知ってしまえば簡単な試験です。

皆さんが日々行っている業務の課題解決能力を知識をもって示せばいいの
ですから。

知識も実務で使う知識+α(体系的知識)だけです。

難しく考えてはいけません。

しんどい試験です。

しかし、合格後は異なる世界が見えてきます。

また、気付きがあれば投稿します。

2018年1月29日月曜日

【No90】第4回_リスクマネジメントって!?


リスクの定義は理解いただけましたか?

専門書にはもっと詳しい内容が載っています。

ここでは、概要程度にしていますのであしからず。

技術士総監受験生は、概要程度でも十分受験対策にはなります。

では、本日は「リスクマネジメント」です。

まずは、言葉の意味から。

manage」ですが、日本語ではなんていうのでしょうか?

大体の方は、「管理」「監督」というでしょう。

実は、少し異なります。

本質は「難しいことを上手にやり遂げる」です。

つまり、リスクマネジメントは、

「リスクに関する諸問題を上手にやり遂げるように仕向ける」

です。

日本の社会では、マネージャーは「管理職」としています。

本質は「(うまくできるように)仕向けて問題をうまく処理できる人」という
味です。

総監の「管理」「監理」はまさにこれです。

勘違いしている人は多いでしょう。

今日から改めて、実践でも意識して使いましょう。

そのため、リスクマネジメントは「業務」でなくひとつの

「職務機能」

として扱わなければなりません。

職務機能である「リスクマネジメント」を構築し維持することを

組織は日々の業務で行うのです。

リスクマネジメントは

「規制緩和」「多様化」「経営管理の在り方の変化」「説明責任の増大」
により進化しています。

200911月、ISO Guide73が「ISO31000」として正式に公表されました。

前回でも述べたように「組織」を対象にしています。

では、組織に何を求めているのでしょうか?

「ステークスホルダとの関係と社会責任や内部統制の標準化と連動」

です。

これにより

「よいガバナンス構築を手段」

としていくことを期待しています。

主な特徴を列記します。

111原則の開示

2)リスクの定義変更

3)身の丈を意識し、一歩でも理想に近づく継続性

4)原則が優先

5)フレームワークの提供

6)プロセスの提供

7)アカウンタビリティ(リスク・オーナーとその責任者の明確化)

科学技術は、複雑で大規模化が進み、一技術者だけでは製品が成り立たなく
なっています。

技術の進歩には、リスクはつきものです。

複数の技術者がリスク認識をして恩恵の最大化と負の要素を最小化する必要
があります。

リスク=不確かさを把握し、いかに目標に達成させるかをマネージャーとして
処理するか?

しっかり考えておきましょう!

次回は「リスクマネジメント・プロセスって!?」です。

2018年1月28日日曜日

【No89】第3回_リスクの表現

【お詫び】
昨日は、投稿タイマー設定が間違っており定刻での発信ができませんでした。



今日は「リスクの表現」です。

これが曖昧になると、リスクマネジメントに影響します。

おさらいです。

ISO Guide73では、

「ある事象の結果とその発生の起こりやすさの組み合わせによって
表現されることが多い」

とされています。

また、リスクの特徴として

「起こりうる事象」

「結果(定性的・定量的)」

であるとしています。

つまり、

「起こりうる事象」

「結果(定性的・定量的)」

「起こりやすさ(定性的・定量的)」

3要素を把握して初めて

「リスクの表現」

が可能になります。

しかし、事象と因果関係は複雑であるのが常でかつ、事象の将来性に左右されます。

そのため、上記3要素は次のように考えます。

1つの原因で複数の結果が生じる可能性がある事象」

「結果は、次の原因になる可能性があること」

「現在から将来にかけての起こりやすさを定性的・定量的にすること」

なお、事象の定義は

「ある一連の周囲状況の出現または変化」

としており、何かイベントが発生しないと事象にならないので注意を。

上記は、総監の考えとしては重要です。

しっかり、専門書を読む前に理解を深めておいてください。

次回は「第4_リスクマネジメントって!?」です。

2018年1月27日土曜日

【No88】第2回_リスクの定義


社会人で技術者なら「リスク」のことを知っているでしょう。

特にISO90001140012015年に改正されてからはご存知の方は
多いでしょう。

従来のリスクとは「損失」のみを重視しています。

損失の

「可能性」

「可能性が存在するための条件」

「不確実性」

「期待と現実とのギャップ」

「ギャップの可能性」

すこし、疑問に思いませんか?

日常で使用している

「人やモノに対して被害が及ぶ」事象

は定義されていないことに。

リスクの意味合いは各技術者の経験により変化しています。

理由は定義があいまいだからです。

例えば、「顕在化した事象例:設備の駆動シャフト破壊」を例にしてみます。

リスク① 損失発生の直接原因(好ましくない事象を含む)で考える場合、
「破壊」です。

リスク② リスク①からの損害の可能性(危険)で考える場合、「疲労」

リスク③ リスクが顕在化した時に発生する頻度と強度(起こりやすさ)
                    で考えると、「生産できない」

通常、リスク①を「リスク」としますが、業界では②③もリスクです。

リスクの評価は、「発生確率x被害規模の大きさ」で定義されます。

いかがでしょうか?聞く人の専門や業界により変化してややこしいですね。

そこで、ISO Guide73で下記の定義になりました。

1)リスクは「組織」を対象とし、その「目的に対する不確かさの影響」
  とした。

  ISOが考えるリスクマネジメントは「組織」を対象としているためです。

  組織経営で矛盾が生じないように定義したということ。

  目的には、「目標」と「結果(ゴール)」も含むこと。

  不確かさは、「事象や結果が起こりやすさに関する、情報や理解、
  知識が部分的でも欠落している状態」です。

  影響は、期待値との乖離で、正の方向、負の方向があります。

  リスクマネジメントでは、

不確かさが組織の目的達成に与える影響すべてをリスクとして
マネジメントの対象としている。

  リスクを現実表現が困難であるため、

  ①事象の発生、その結果、または両方の組み合わせ(リスクの特徴)

  ②事象の結果とその発生の起こりやすさとの組み合わせ(リスクの表現)

  としています。

現実的な表現方法は変更なしですね。

2)結果に「損失」だけでなく「利益」を得る意味が含まれる。

  先ほどの期待値との乖離でも書きましたが、これが最も大きな変更点
  と考えます。

  負の影響だけでなく正の影響もリスクと考えることです。

では、リスクをどのように表現するのか?

「事象(周辺環境の変化)」で書くのが一般的です。

しかし、わかりやすい反面、結果を表さないため要素の連鎖に陥ることが
多々あります。

そこで、このリスクの特徴である「事象と結果」を一連の流れで書くことを
お勧めします。

なぜリスクの定義が変更されたのか?

それは、今が技術の転換期だからである。

転換期は、大きな変化をもって、正の効用を得るものであるが反面、
失敗する(事象)が起こると取り返しのつかない結果を生む
リスクが大きくなってくる。

その正の効用をいかに得るか、負の影響をいかに小さくできるか?
がリスクマネジメントであることを理解していただきたい。

総監の試験で、リスク抽出は負の効用しか書かない人がいる。
特に平成25年度以降は、正の効用に対する意識が大きくなっている。
正の効用があるから、負の効用を低減することを忘れないでほしい。

次回は、「リスクの表現」を補足する。

2018年1月26日金曜日

【No87】第1回_本企画への思い


前回、「技術士試験」を重視した「技術士あるある」をテーマで、
12回で記載した。

今回は、「技術士になってから」に重きを置いてみました。

実は、技術士の21部門目「総合技術監理部門(以下、総監)」
を取得するまで、機械設計の立場でありながら、

ISO9000の推進者であった(過去の会社で)にもかかわらず、

深く理解していなかった

「リスクマネジメント」

について書こうと考えました。

総監は「リスクマネジメント」という風に言う人がいた。書籍もあった。

いままで実務でそんな深くまで考えて実行していない人(私)にとっては??
が多い。

特に「リスクの定義」では最初戸惑った。

機械設計の技術士試験でも、その辺は理解済みではあったはず。

しかし、総監試験で読み込んだISO31000を読み、

「多くの技術者は理解されていないのでは?」

ということに気づかされた。

特に私のように中小企業でISOを行っていた人でもこのレベルなので、

技術士試験受験者だけでなく、

技術士試験とは関係のない一般の技術者や経営者に

さわりだけでも伝えたいと考えました。

明日からの9回で、実体験を通じて伝えていきたいと考えていますので
お楽しみに。

2018年1月25日木曜日

【No86】<技術士あるある臨時版>論文は知識の広がりと深さを活用すること②


今日は「深さ」の部分の補足と「活用」についてです。

No85】でも記載したように、

「キーワード」と「専門とする事項」の連動

が重要です。

なぜなら、深さが選択科目と合致するかの指標になるからです。

キーワードが専門とする事項で展開しにくいと感じるなら、

選択科目を変更してください。

いろいろな選択科目のキーワードを今から抽出すると大変ですが、
やってください。

ポイントは、各選択科目の重要となるキーワード5個ぐらいを
「専門とする事項」

に当てはめてみてください。

そうすれば、しっくりくる課題・問題点・解決の方向性が見えてきます。

今なら引き返しもできますので、早く取り掛かりましょう。

さらに本題の「深さ」について補足していきます。

大事なのは「業務の棚卸」です。

ご自身の業務で「何が課題なのか?」

「何が問題なのか?」

「解決に至るキーテクノロジーは?」

がわからなければ、キーワードの論述ができないからです。

この論述の精度が筆記試験で活用できるか否かの分かれ目です。

だから、私は業務経歴票の整理を進めています。

「技術士とはないか?」

「技術士論文の書き方」

「自身の強みの発見」

ができる最も有効な受験対策です。

最も身近で1日の1/3以上を費やす業務が一番の受験参考書です。

業務では、「専門知識」の深さだけでなく「広さ」も要求されるはずです。

知っていなければ防げない事故や不具合をいかに想定(技術と社会との連続性)
でき、技術責任者として具体的な指示が出せるか?

これが技術士です。

まとめると、

1)専門とする事項の体系的知識=広さ

2)専門とする事項での体系的知識の活用≒応用能力=深さ

3)技術と社会との連続性=真の技術の活用

です。

いままでの資格試験の勉強法を忘れて、3つのことを実践していきましょう。

また、添削時やセミナーで気付いた点を「臨時版」で掲載しますのでお楽しみに。

次回は、「技術士が必要と考えるリスクマネジメント」について記載します。

2018年1月24日水曜日

【No85】<技術士あるある臨時版>論文は知識の広がりと深さを活用すること①


急遽、臨時版を投稿します。

理由は、添削をしていて伝えなければならないと感じたからです。

この時期は、「業務経歴」と「筆記論文」添削をします。

私は、

身近な業務を整理する「業務経歴」で、専門的応用能力を深めたほうが良い

と考えています。

しかし、「筆記論文」が気になるようで、筆記論文の添削依頼が多い実情です。

業務経歴は、筆記試験合格後の口頭試験の資料になります。

当然、合否に最も影響のあるものなので重要なのはわかるでしょう。

しかし、もっと重要なのは

「専門分野」の決定


「自身の業務を筆記で活用できるツールにできるか」

です。

2回にわたり説明していきます。

<専門分野の決定に大事な業務経歴票>

毎年、選択科目を何にするか?悩まれる受験生が多いです。

私もそうでした。

No76】でも書きましたが、

決定理由は様々なりますが、私のおすすめは
「業務のキーテクノロジーは何か?」
です。

その「キーテクノロジー」を見つけるのために
「業務経歴票」を作成するのです。

これがわからなければ、

筆記試験で受験する選択科目にご自身の専門と「相違」があると判断され、

「不合格」になります。

まれに、論文の論述が良くて合格される方はいます。

しかし、口頭試験前の模擬試験で

「口頭試験前から不合格のスタンスで攻められるだろう」

と経歴票を読み、口頭試験の応答を見て技術士全員が感じます。

ひどい場合、720字の内容だけでも分かります。

せっかく、難関の筆記を合格したのに・・・

4月の時点で気付いていれば・・・

私のところにきていれば・・・

という風に悲しい思いをしてしまいます。

本当にリカバリーできるようになるには、
相当の面談や練習をしなければならないです。

時間がある今のうちから、

「専門分野」を早く知ることが大事であること

を理解してください。

長々書きましたが、タイトルにした「深さと広さ」との関連を書きます。

この「専門分野」には、

①選択科目

②専門とする事項

2つの意味合いがあります。

①選択科目は、筆記試験をもって「知識」と「応用能力」があることを
示します。

「知識」を具体的にすると、

選択科目が「熱工学」であれば「伝熱の3形態」などです。

「材料力学」であれば、「応力」「破壊」などです。

「鋼構造コンクリート」であれば、「材料(主要5元素)」「構造」です。

②専門とする事項は、ご自身が最も選択科目の知識と応用能力をもって
業務してきたかを示します。

例えば、動力エネルギー科目なら、「ガスタービン」でしょう。

つまり、「①+②=専門分野」なのです。

また、「①≒②=専門分野」ともいえます。

筆記委試験では、①の広さは「選択科目の知識」、
深さは②の「専門とする事項」を用いて記載します。


選択科目-1は、①>②です。

選択科目-2は、①≦②です。

選択科目Ⅲは、①<②です。


選択科目Ⅱは選択科目の知識と応用能力を試されます。

選択科目の知識の広さ=専門知識を600文字論文2題で確認し、

選択科目の知識の深さ=応用能力を12001題で確認します。

「知識の広さ」は言うまでもなく、「知っているかどうか」です。

4題出題されるキーワードを知らないと書けませんね?

知っている量も600字必要です。

ここは、「広く浅く」の勉強が必要です。

問題はこの「浅く」のレベルと選択科目Ⅱ-2、Ⅲで必要な「知識の深さ」です。

6001枚でもある程度の深さは必要です。

教科書的な知識をたまたま知っていれば600字は書けるでしょう。

しかし、600字を定義と概要だけでは埋められません。

そこで、専門とする事項を活用します。

キーワードを業務で活用した内容や活用できる内容で論述するのです。

キーワード集を作るとき最初に「キーワード抽出」、

次に「キーワード定義・概要」を150文字程度抽出します。

そして、「深さ」の部分である「業務との連動」をしてもらいます。

具体的には、「キーワード」と「専門とする事項」の連動です。

例えば、キャビテーションというキーワードがあります。

それを専門とする事項が「バルブ設計」であれば、

キャビテーションを用いて、バルブ設計における課題・問題点と
その解決策を記載します。

あとは、評価(現状と新たな課題)、展望をまとめます。

5060キーワードぐらい作れば、論文の体裁はできてきます
(キーワード集めは200300個目標)。

これが「深さ」になります。

筆記合格には非常に大事な考え方です。

是非、今からでも遅くはないのでやってください。

次回は、「自身の業務を筆記で活用できるツールにできるか」です。

タイトルに書いている「深さ」の部分をもう少し説明します。

また、「活用」と合わせて述べていきます。

お楽しみに。

2018年1月23日火曜日

【No84】 第10回_技術士受験_2回の不合格で学んだこと


とうとう最後になりました。

最後は、2回の不合格で学んだことです。

過去9回の内容でおおよその内容は記載しました。

最後におさらいをしましょう。

技術士試験で大事なことは・・・

1)「何事もやってみないと結果はわからない」

2)「あきらめなければ、不合格はない」

3)「なりたい自分のイメージ(セルフイメージ)を楽しく膨らませて、
          現実が近づくとわかったときさらに成長できる」

4)「やりだす勇気とやりきることはできないことを理解することが、
          エンドレスな成長が未来を作る」

5)「実務で使いこなす知識と経験を国語力で表現する」

6)「技術士法1条に当てはまるまで考えられる人が、認定される」

7)「アウトプットの重要性」

8)添削は「提出が目的」でなく「問題に応える」ことのヒントをもらい
          見直すことを目的に

9)「書くだけが勉強ではなく、いかに隙間時間で題意に応えることを
          考えるか。」
です。

今後も技術士試験についての「あるある」は適宜掲載しますのでお楽しみに。

次回のテーマは「技術士が必要と考えるリスクマネジメント」です。

その前に「臨時版」を2件投稿します。

「論文は知識の広がりと深さを活用すること」についてです。

よろしくお願いいたします。

2018年1月22日月曜日

【No83】 第9回_技術士受験_論文作成ができなくなった!?時のこと


No76(第2回目)でも記載しました、
論文作成ができなくなったときのことを記載します。

長い人生、自分の時間だけで長時間過ごせる人はいません。

まわりの環境や自身の仕事、趣味等・・・
技術士試験だけの時間確保は難しいです。

3回目の受験時、様々な出来事がありました。

当時は、数か月で5kgぐらい痩せました。

その時は、技術士論文を一切書いていません。

でも、この時書けない焦りよりも家族の方が重要であり、
開き直りました。

そこで、過去問に目を通し仕事の隙間時間等で骨子を考えました。

ノートやPCで入力はしていません。

そんな時間もなかったので。

頭の中で繰り返し考えてしっくり来た時だけ、メモ書きしました。

結果、論文を書く6月にはA判定の論文ができるようになりました。

書くだけが勉強ではなく、いかに隙間時間で題意に応えることを考えるか。

知識は、そこに足りない分だけ補填するのです。

アウトプット重視のインプットですね。

時間がないと思っている受験生に参考になればと。

2018年1月21日日曜日

【No82】 第8回_技術士試験_論文作成・提出が目的!?となっていた時のこと


8回目は、受験生時代と講師となってからの出来事
「論文提出が目的になっている」
です。

技術士論文を添削依頼して、
自分のレベルを技術士の視点で添削してもらいます。

私の師匠は、「24時間以内返信」をモットーとされていました。
受験生を待たせることは、
モヤモヤしたなかで進歩がないまま時間を経過させるだけなので、
そのようにしていたようです。

私も24時間返信を目指して、添削をしています。

しかし、添削側になって感じた点は

「提出することが目的になっていないか?」

です。

添削事項を単に修正しただけで、
全体のまとまりを考えず提出する受験生がいます。

レスポンスはいいのですが、進歩がありません。

それは「教えてもらう」という受け身だからです。

受け身では、技術士試験の本質はつかめません。

「どうしてこの書き方がおかしいのか?」「題意が異なるのはなぜか?」等
一部の指摘事項から、全体を俯瞰して見渡すことでまとまりを考えることが
できなければ、一生合格しないでしょう。

万が一、合格してしまっても口頭試験や所得後のプレッシャーで
大変不幸なことが待っています。

私も最初、「提出しな!!」だけで一生懸命修正しました。

ところが、何回提出しても大幅な改善ができません。

そこで、一つの指摘から関係する箇所も再考してみたり、
全書き直ししたり・・・・

紆余曲折しながら「提出が目的」でなく「問題に応える」ことの
ヒントをもらい見直すことを目的に取り組みました。

3年目に書いた唯一の論文は、3回の添削でA判定でした。

「題意」に応えること・・・の練習。

それは、骨子法だけでもできます。

3年目は、並行して骨子を20個作成しました。

これが良かったのでしょう。

本番では、時間ギリギリでも題意を外さず、
簡素なわかりやすい論文となりました。

皆さんも添削の目的を再認識してください・・・

2018年1月20日土曜日

【No81】 第7回_技術士試験、専門の迷い!?があった時のこと


No76(第2回目)でも記載しました、「専門の迷いについて」その時の思いを書い
てみます。

受験生の皆さんは、技術士の受験申込書に記載する「専門とする事項」、
「選択科目」は決まりましたか?

単に、業務が流体に近いとか・・・で決めていませんか?

または、問題が解きやすいから・・・など

決定理由は様々なりますが、私のおすすめは
「業務のキーテクノロジーは何か?」
です。

例えば流体から起因する振動を解析しているなら、
事象は流体なので流体工学。

また、解析が主で流体も構造も熱もしている・・・
局共振や熱特性等材料選定や構造を解決しているなら材料力学・・・

このように決めてほしいです。

やはり、業務で使っている技術や専門知識は重要です。

二次試験は論文がメインです。論文には、知っていることと今まで経験した
ことをミックスして、論理的に表現したもののみが筆記試験合格となります。

さらに、口頭試験では「専門」の科目の試験官から質問を受けます。

当然知っていて当たり前のことを聞かれます。

もし、あなたがその科目の専門家でなければ・・・口頭の専門的応用能力を
発揮できますか?

受験生初年度、そんなことは理解せず、論文を書きやすそうな問題を見て
選んでいました。

2年目のB判定の時考えました。

本当に流体で良いのか?

流体工学の求めている専門的応用能力とはなにか?を真剣に考えた結論は、
「課題解決のキーテクノロジー」
です。

今からでも見直されても遅くはありません。

12月の口頭試験で後悔するよりましです。
「キーテクノロジー」は何か・・・・

2018年1月19日金曜日

【No80】 第6回_技術士試験、インプットの呪縛!?に陥った時のこと


6回目は、少し受験時代を振り返ります。

1回でも述べましたが、平成22年の初受験、平成23年の2回目とも、
技術士=難しい技術を知っている人と
考えていました。

いまとなれば技術士として、仲間に求めていることとは大きく異なる
考えでした。

でも、当時は全く気づきません。

なぜなら、今までの学校教育がそう教えてきたからです
(人のせいにするわけではありませんが・・)。

インプットの重要性と試験だけでのアウトプットの重要性。

この流れは、技術士試験を受験して3回目でようやく気付きました。

技術士の方が言われていたことが、ようやくわかったときです。

時間がかかりすぎました。

でも、この時間があったからこそ、受験指導で悩んでいる方への
アドバイスや心境がわかるのだと。

いい経験で、不器用な私でも人に役立つことを身近に感じられるという
素晴らしい経験をさせていただいています。

経験とは恐ろしいもので、特に私のような不器用な人にとっては
中々払拭できないものです。

現在、英語教育の変化や大学受験の変更等「論理的思考能力」の重要性が
日本の教育に重要であると認識させ、実際に変化してきています。

非常に良いことです。そうでなければ、世界と対等に渡り歩けない時代が
すぐ近くまで来ているからです。

インプットも大事ですが、活用することの重要さを気付くことが
技術士への第一歩です。