2017年11月30日木曜日

【No52】総監経歴対策(その2)

口頭試験を視野に入れた書き方が重要である(当たり前だが)。

経歴票は名刺代わりになるため、人物が総監技術士にふさわしいかを最初に確認するもの。

口頭試験では、以下のことを確認する。
経歴及び応用能力(配点60点)
体系的専門知識(配点40点)

①と②のバランスがよくできており、総監の発想ができているか?

①は、5管理の経験値・レベルを知る。つまり、総監技術を踏まえた5管理の中庸。

②は5管理を適切に使えるか?

配点バランスは、時間バランスと考えてよい。

①は経歴確認などで時間を要するので、60%~70%程度時間を割く。

では、どのような書き方をすれば、試験官は「総監技術士」と認めるのか?



①概要(総監技術者が必要となった概要


   ・科学技術


   ・恩恵

   ・多大な負の影響

②立場と役割

   総監の要素がある立場と役割を示す。

   ⇒プロジェクトの一部、管理者と監督者の違いを示す。

③課題と問題点

   総監技術士の能力がないと解決が困難なこと。

   ⇒最重要管理項目の設定(目的)

   ⇒その達成のための課題を設定。

   各個別管理の相反・トレードオフへの言及(青本P3)。

   経営全般を勘案したマネジメントに資する判断(青本P3)。

④提案

   業務全体を俯瞰的な把握・分析に基づき、総合的な判断を行い改善策の策定すること。

   ⇒総監技術の創意工夫はいらない。どの技術部門でも記載可能な対策の策定が良い。

   ⇒全体的な提案の方向性を示す。

   ⇒5つの管理の記載が望ましいが、最低3は書く(残りは口頭で)。

⑤成果

   トレードオフの解決、経営全般を勘案したマネジメントを行ったこと。

   ⇒すべての管理を行い、滞りなく全体としての課題を達成したこと。

    ・業務全体の成果と各管理の成果


次回は、心得ておきたい点で完結する。

2017年11月28日火曜日

【No51】総監経歴対策(その1)

総監受験する監理技術者は、総監技術の理解と使いこなしていることの証明を経歴票と720文字の詳細で表現する必要がある。

基本となる「青本」に忠実(キーワード)に5つの管理を総監技術を理解して遂行することを示さなければならない。

専門的応用能力(創意工夫)は必要なく、「技術者を育成・認定すること」が総監部門の目的であることからも言える。

そのためには、
  総合技術監理が必要とされる背景(青本P2
  総合技術監理の範囲(青本P2
  総合技術監理に要求される能力と養成(青本P3
に沿う業務経歴票を書くこと。

注意点として、5つの管理は独立で行うことではなく、互いに有機的に関連付けて、あるいは統一した思想のもとで行うことが必要

しかし、個別管理から提示される選択肢は互いに相反するものやトレードオフの関係になるため、総合管理技術を用いて統一的な結論提示や矛盾解決・調整を行うことに注意が必要。

ではどのように行うのかは、5つの管理それぞれの管理項目を総合的に勘案し、組織毎もしくはプロジェクト毎に重要性や優先順位を判断する(青本P10)」部分から、「俯瞰的な把握・分析に基づき、総合的な判断を行い改善策の策定を行った結果○○となった。」という流れにする。

総監は、必要な背景がなければ登場しないことを忘れずに!!

次回は、具体的な書き方を示します。

2017年11月26日日曜日

【No50】総監筆記対策 管理技術を使いこなせるか

毎年同じことを聞かれている「総監筆記」。

でも、受験生には気づかれないように複雑で問題文が多い構成をしている。

合格後に見えてくるもの・・・それは受験生にとって何の意味もない言葉。

対策にならないので、何が問われてどう回答すべきかを簡単に書く。


●試験の目的:滞りなくプロジェクトが完結短期的)し、組織全体がボトムアップし安定的な継続をしつづける(中長期的管理技術を用いた具体策を提案できる監理技術者の選定。

       ⇒管理技術を使いこなすには、高い技術レベルをもった技術者でなければならないことを忘れない。≒「専門とする事項」に関する技術の総合技術監理技術士としてふさわしいか?



 ●すべきこと

    総合技術監理が必要とされる背景の理解と実践(青本P2

問題文の序文そのものである(想定課題が異なるだけ)。

    総合技術監理の範囲の理解(青本P3

回答すべき範囲の理解

    要求される能力とその養成とは?と管理技術とは?(青本P3-5

≒技術を使いこなし、監督できる能力(可能性)。

≒不確定条件下での合理的な選択。

専門分野における仮想問題・将来の問題・専門分野の動向に沿った解答ができると判断される者がふさわしい。



 ●解答手順

    序文の理解(問題のテーマ・視点)

「総監の背景(青本P2)」について、「課題」を組み替えているだけという意識をもつ。

キーワード:トレードオフ、管理目標、リスク想定と5管理予測対応、問われているプロジェクトの想定(背景)

    設問1,2

「問われていること」を大タイトルへ、「要求されていること」を小タイトルか文章の内容へ入れ込む。

内容は、科学技術、恩恵、多大な負の影響、恩恵が与えられない要因、多大な負の影響の要因、影響の規模であり、事前に準備したものを設問に当てはめる。

ここでの影響の規模は具体的な数字や一般でもわかる規模が示せること。

また、「科学技術」は、「専門事項」に近いものと「具体的技術」を示しておく。技術課題を解決するために「新たな技術」「初めて利用する技術」の出現をさせ、それを遂行するための管理リスクを設定し、管理上の課題・問題点を示す。

    設問34

②同様、問題で求められていることを正確に見つけ、忠実に論文の中へ。

    5つの管理のアピール(個別技術の理解力)

各管理技術の目的に沿って、内容を正しく記載する

例:経済性管理:QCDのバランス

    注釈への配慮

要求事項で「限定されている」場合:H23_「当該要因が発生してもあなたの所属する組織への直接的な被害は軽微または無かったなかったものとする。」

→直接被害があったことを書くと不合格。

要求事項があいまいな場合:H28_「将来の具体的な時期は問わない」

→「遠からぬ将来」、「さらに遠い将来」の想定が任されているが、最近の情勢を踏まえて、専門分野の技術動向を的確(納得できる)に示せるか?がポイント。

    解決策の書き方

設問1,2を受けて設問3,4で解決策が求められる(H28では、23)。

・目的

・具体的提案(目標値あればよい)

・その成果(数値があればよい)

トレードオフへの言及(リスクの程度)

 ⇒個別管理をそれぞれ行うと、「あっちが立てば、こっちが立たず」等が発生する(経済性重視で安全が滞るなど)。これをどのように最適化するのかが論文で問われている。

・提案の注意事項(留意点・方策・リスク改善の程度)

例)○○には△△をすることが必要である。(目的)

  具体的には□□を行う。(具体的提案)

  これによりXXが向上する。(提案の成果)

  この際○○と△△がトレードオフになるため、(トレードオフへの言及)

事前計画には□□を検討することが必要である。(注意事項)

    「おわりに」の書き方(余裕があれば書く。必ず必要ではない。

自己研鑽を継続する趣旨の内容を書く。

総監に要求される能力とその養成(P3に求められている。

H29年は、現在と将来のステージでの対策回答を1枚づつにまとめる作業。

ここは、5つの管理からの視点・トレードオフ対策がしっかりできていることを示してほしい。

また、いつも通り課題設定がポイント。ここで間違うと不合格。

次回は、経歴対策を書く。



2017年11月22日水曜日

【No49】総監択一対策(管理技術の知識を持っているか?⇒持っていないと使いこなせない。)


●目的:管理技術の正しい知識と理解力の把握(知識、一部判断能力を問う)。


●全般:実際にやったことを下記に示す。

    過去問から出題されたキーワードを青本より拾い出す(5~10年)。⇒出題範囲の分析、出題頻度が高いキーワードを把握する(選択と集中)。

    キーワードを青本の言葉と最新情報を集め、自分の言葉でまとめる

    過去問を5回程度繰り返して解き、キーワードに修正を加える(ブラッシュアップ)。

    青本キーワードの理解と業務への当てはめ(同時に筆記対策になる)。

    用語に慣れる(≒業務で使う、イメージするなど日ごろから意識する)

    各管理から8問出題、5~7問正解を目指す(目標70%=28問正解)

⇒H2728問正解達成!!

では、具体的な勉強方法を下記に示す。

●経済性管理(46ページ)
    重要キーワードの正しい理解(カタカナ用語のあいまいな言葉)。
    断捨離(KW:131個ともっとも多い)
    最近の過去問傾向分析から最新キーワード入手(国内外)。
 
●人的資源管理(25ページ)⇐高得点が狙える(少ないKW 71個)
    頭数の確保(経済性管理の負荷管理)でなく、人の変動する生産性を維持・向上させるための管理であることを理解したキーワードを中心に。
    OJT,OFF-JTの正しい使い方=OJTの文献
    目標・プログラム・効果確認(PDCAの実践、51Hを明確に)

●情報管理(37ページ)
    技術情報識別、漏えい、情報の共有、周知に関するキーワードを中心に。
    IT関連(情報ネットワーク、セキュリティ)は、広く浅く最新情報を入手。
    青本KW(75個)を起点に青本外の情報を網羅的に集める。

●安全管理(43ページ)
    労働安全衛生管理、メンタルヘルスといった事故や健康阻害を防止するキーワードと製造製品による事故などの関するリスク管理や危機管理のキーワードを中心に。
※論文の視点は、「製品安全・リスク」でなく、組織の安全・管理のリスク・危機を書くので注意。
    危機管理(P157
    リスク管理は安全管理だけでない、また低減ばかりでないということの理解。
    ISO31000最新法改正・制定・国際基準の理解(国内外)。

●社会環境管理(39ページ)
    青本KW(91個)を起点に、組織外部への影響に関するキーワード(最新情報)を網羅的に集める。
    環境分野は地球環境問題(温暖化等)、諸法令、国際的条約等のキーワード。
    再生可能エネルギー、循環社会の視点や施策、社会経済的指標の把握と関係法令・補助制度・規制緩和なども整理(国内外)。


次回は、論文対策です。 

【No48】総合管理技術(5管理+αといわれるもの)

「総合管理技術」とは、文科省が決めたこと。

簡単に言うと、企業等の組織が継続的に活動を続けていくための技術全般を管理する技術

のこと。

具体的に書くと次の通りです。


    QCDのバランス
 :経済性管理


    組織構成員の最適な管理
 (組織作り、モチベーション、インセンティブ、教育、適正評価等)
  :人的資源管理


    意思決定のための情報活用システムの構築と活用、セキュリティ、知財管理
  :情報管理


    多様なリスク・災害・事故等に対する備え
  :安全管理


    外部社会の環境負荷を与えない仕組み
  :社会環境管理

これら①~⑤を最適(5つの視点(管理技術)を使い漏れなく)管理する「監督者」が総監である。

また、5つの個別の管理技術による「部分最適化」だけでなく

管理技術の活用には、⑥国際規格・法令・認証等「国際的視点」が重要である。


ただし、これらの管理技術を個別で駆使すると、それぞれ相反する関係が発生する。

これが「トレードオフ」である。

論文にはこれがないと「総監技術」を駆使しなくても解決できる課題であるとの認識。

絶対に外せない。

また、管理レベルの極限を理解し、状況を勘案して定めた管理目標を達成できる技術者が

求められている。

総監は、それら技術者の「育成」と「認定」を目的にしているからだ。

そう、総監は未完成な総監技術を勘案して、公益確保と国民経済の発展、科学技術の向上

をするために使いこなせる技術者を望んでいるのだ。

2017年11月20日月曜日

【No47】総監とは?(1)

技術士の中で、少し毛色の異なる部門の「総監」。

一般部門とよばれる20部門にない「独自の管理技術」を用いて、業務の最適化による科学技術の向上と国民経済の発展に寄与する部門と考えている。

まず、その「一般部門」と「総監」の違いを述べてみる。

<技術士(一般部門)>

専門技術・周辺技術を勘案して、ある課題に対して、解けない問題を解ける形に導く者

プレーヤー(守備範囲:専門技術者 選手)でもあり、プロジェクトマネージャー

(PM、守備範囲:業務・業務管理技術者、職務管理もするコーチ的立場)でもある。

つまり、「一般部門の技術士」≒プレイングマネージャー(コーチ役)である。


技術士(総合技術監理部門)>

内外環境(専門技術・リソース・社会・環境・経営全般等)を勘案して、ある課題存在

する技術的課題を妨げる技術的問題に対して、技術的な解決滞りなく実施できる形に

リソース(人・もの・金)を最適化(プレーヤーでなく、5管理で技術者をマネジメント)

し、中長期的な視点をもって永続組織へ導く者。

守備範囲はPM(プロジェクトマネージャー)でなく、組織の事業活動全体を見る監督。

リソースの最適化は、中長期的視点に立つこと。

つまり、監督(組織統括)である。


一般部門の技術士は、プレイングマネージャーレベル、それを統括するのが総監。

継続発展のための中長期の視点が持てているかが、「総監脳」の違いである。

次回は、総監の技術である「管理技術」について述べていきます。



2017年11月17日金曜日

【No46】技術士(総合技術監理部門)

私は、技術士であるが、2つの部門の技術士である。1つは機械、もう一つは「総合技術監理部門」(略して、総監)。

総監とは、個別の専門技術を総合的に管理・監督する部門である。学問は、文科省が作ったもので、一般的には存在しない。近い学問と言えば、プロジェクトマネジメント。

総監は、社会の複雑な技術による恩恵と多大な被害のリスクを把握していく課題抽出能力を、文科省が決めた5つの管理を使いこなし、バランスよく管理し、起こりうるリスクを最適化することで、国民経済の発展と科学技術の向上を図る部門である。

総監とは?をくわしく次回説明するので、試験に役立ててほしい、


2017年11月16日木曜日

【No45】情報セキュリティマネジメント試験結果

近年、日本においてサイバー攻撃が数年前より格段に増加し、それに伴う被害が深刻化してきたため、平成28年の春期よりスタートした情報処理に関する新しい国家試験です。

主にユーザ企業における情報管理担当者やセキュリティ業務担当者を対象とし、ITの安全な利用と活用を推進するための基本的知識・技能を有することを認定する内容の試験である。

ちなみに、基本情報技術者と同レベルとなる「レベル2」に位置付けられている(易しいレベル)。

詳しくは、https://www.jitec.ipa.go.jp/1_11seido/sg.htmlを参照ください。

今回で開催4回目となる秋試験を始めて受験した。

午前64点/午後69点(合格基準60/60点)でかろうじて合格をいただいた。

特に勉強してはいなかった(参考書1回読んだだけ)が、午前はマネジメント系やリスクアセスメント系、午後は中小企業時代に体感したこと(経験)でクリアした。

技術士試験で問題に「応じる」ことを勉強したかいなのか、問題を読み解く能力も影響したように感じている。

合格率は50.4%と春より16%も下がっている。

難しいという書き込みが多い。

多くの資格試験は、「暗記」中心であり、実務ができなくても有資格者になれる。

この試験は、実務者を想定しており、これからも素人には難しい試験となるであろう。

ただし、資格試験は受験者数減少は問題となるので、どのレベルで目的とするほしい技術者レベルと中庸するかはまだわからない。

技術士も同様、使いこなせる人が受かる試験である。

日本の資格試験も「知ってて当たり前」で「使いこなせるか判断する」試験に変わることを期待する。

しかし、良かった。。。。(安堵)

2017年11月15日水曜日

【No44】口頭試験前の模擬試験準備

今週末、技術士二次試験口頭模擬試験を行う。

難関の筆記試験を合格したのだから、楽勝と思っている人はいないと思うが・・・・。

知識を単に問うのではなく、「技術士仲間」を選抜する試験であることを忘れないでほしい。

いくら学識や知識があってもダメで、試験官とのコミュニケーションで技術士となってほしいと思う能力を発揮しないといけない。

最低限の知識と80%以上は、公益確保・科学技術の向上のために何をすべきかがわかっているまたは、わかろうとしている人が選ばれる。

しっかり、技術士の定義と目的を理解したものこそ、技術士になれるのです。

しっかり、技術士脳になってください。

2017年11月14日火曜日

【No43】AIは最適化ツール!?


 AI(人工知能)のセミナー案内が多い。どれだけの人が正しく認識しているのか?

 AIの定義は、「人が行うことを機械で処理する技術のこと」と考える。


 つまり、知的処理に関するデータを振り分ける処理なのだ。


 なぜ、流行りだしたのか?


音声認識技術のDNNベースへの手法が実用化

2013年以降、AI系ラボの引き抜き合戦が活発化

2016年 WaveNet 音声合成 Google

技術の発展による敷居の低下

大量のデータが整備(無償公開)

ツールキットの入手性

最新技術のオープンアクセス化


 である。


 つまり、容易に使えるリソースが増えたことと技術の進歩である。


 過去に電子計算機が出たように、現在では技術の進歩によりIoT等のデジタル技術を駆使して集めた「データ」をより統計的に分析しやすくなっただけである。


 大騒ぎすることはない、「最適化」を使うツールが現在の「AI」である(今は)。


 我々技術者は、AIに適用するデータを整理整頓及び収集方法を最適化する技術支援する立場となる。


 つまり、情報の質・量の整理整頓ができる技術者が最適化のきっかけを作る。


 例えば、コンカレントエンジニアリングによる上流工程と下流工程の情報共有する場合、様々なセンサーや作業者情報等が入力される。これを現状だけでなく未来や他の機械に適用する応用能力を技術者が行う。


 この役割分担こそが技術者とAIの最適化である。

2017年11月10日金曜日

【No42】近畿の中小景気改善!?


「近畿の中小景況、5期連続改善」(7~9月日本公庫調べ)によると、7~9月期の業況判断指数(前年同期と比べ「好転」と答えた割合から「悪化」を引いた値)は、4~6月期に比べ3.6ポイント上昇のプラス11.9となった(5四半期連続で改善)。水準は2014年1~3月期以来、3年半ぶりの高さとのこと(日経1021日記載より引用)。

つづきに「海外経済の拡大傾向で輸出と生産が好調。これを受けて製造業の業況判断指数が3.7ポイント改善のプラス12.8となり、全体をけん引した。訪日客消費の盛り上がりなどもあって非製造業は3.0ポイント改善のプラス11.3になった。」とある。

 これは何を意味するのかというと、国内需要は横ばいまたは低下している(書いてはいないが、事実)が、外需により景気が向上しているということ。

 つまり、企業業績は向上しており、いつかは「給与」に反映されるということだ。しかし、ここ1年、そのような状況が進んではいるが、一般の給与所得者には実感が薄い。それはそうであろう、企業が「失われた20年」で「内部留保」という保険を蓄える体質が従業員への還元を浸透させないのである。

 ただ、このまま外需による景気拡大は続くため、これを機に海外進出企業が増え、景気動向が国内需要だけに左右されない、従業員への給与拡大の可能性はある。大変喜ばしいことだ。

 しかし、世間は甘くない。いくら技術力が優れていても「顧客を勝ち取る商品」にはなれないからだ。「需要と供給のバランス」が国外にでると違いが一目瞭然となり、日本流では太刀打ちできない、または今はいいが、継続した売り上げを上げることができない問題に必ずぶつかるだろう。

 私も中小企業で海外工場を立ち上げた経験はある。しかし、働く従業員の考え方、モノを消費する人の考え方の違いは、やはり大きい。

 家族とともに過ごす時間を大事にして、定時に帰ることが当たり前な感覚、対価に見合う報酬でなければ、給与のいい職に変わることも日常。 やっと一人前の人が、スキルアップを理由に高額な給与を求めてくる・・・・・など様々。日本では考えられないことが非常に多い。

 この現実の理解と情報活用能力が経営者には問われている。特にグローバル化は世界から見てかなり後発な状態。うかうかしていると則られる勢いがある。

 また、モノづくりはどうだろう。これも日本民族のDNAにある「すりあわせ」という感覚はない。先ほど述べたように、メリットのあることは何か?それは正当な対価か?といった海外の人との価値観の違いが、ギャップを生み「すり合わせ」を得意としてきた日本型モノづくりは通用しなくなる。

 そこで、国内生産と海外生産をバランスよくすることを提案している。

 標準化されたモノでかつ、地産地消が可能なモノは海外で、すり合わせの必要なモノづくりは、国内で。

 これは、強みを生かし、社内外状況を把握・分析していればできる。高度なモノづくりはまだ、日本には勝てないものが多い。いつかは越されていくものはあるだろう。しかし、「すりあわせ」人材を多く生み出す仕組みと内外需要をバランスよく取り込む体質を作る企業は、必ず生き残る。

 すり合わせ=協働が日本のDNAで真の中小企業景気回復になると考える。

2017年11月9日木曜日

【No41】筋肉貯金!?


40代前半から、筋力量の低下を意識するようになった。

30代前半までは、野球でショートを守れるほど体力には自信があった。仕事も同様、朝6時から夜中11時でも平気であった。

ところが、近年筋力測定をしてもらうと驚きがあった。

足の筋力が、上半身と比べ「おじいちゃん」であったこと。

前兆はあった。最近ゴルフを再開したとき、練習場で100球を超えると、体が流れてスライスボールが出始めた。当初は、上半身の返しと腕のバランス程度と考えていたが、実は足の内筋肉が非常に弱っていることに筋力測定をするまで気が付かなかった。

それから、歩く時等筋力をつけるために意識をしつつも特別なことはしていなかった。

先日、コンペでやはりスライスが止まらない・・・特に後半、思いっきりスライスする。意識してもどうにもならない・・・

数日後、妻がいきなり「筋肉貯金運動」というものをしだした。

最初は興味がなく、見ているだけではあったが、「外足と内また、ふくらはぎに張りが出た!!」という。

課題であった、下半身強化に少しの時間で効くのか?単に妻の運動不足か?と半信半疑ではあったが、頭の片隅に「スライス」のことが残っていたので、便乗してみた。

すると、1日で足が筋肉痛で大変なこととなった。

単に①足を交互におしりにつけるような駆け足を30秒②10秒休憩③おしりを垂直に下す(スクワット風)と同時に両手を上にあげるを20回程度③10秒休憩④片足を踏み出して引く動作を左右交互各10回程度、①~④を4回だ。

しかし、この5日で2セットしかできない。

たった5分程度の運動がここまで効果があるとは・・・思ってもみなかった。

筋力量のバランスが上半身(20代)に比べ60代の下半身。これでは、人生のライフバランスを今後健康で過ごすことに危機感を感じながら何もしなかったことを考えると、非常に救世主的な運動だ。

お金の貯金よりも「筋肉」がたまる予感がする。

また、健康であり続けることで、「気持ちの貯金」ができそうだ。良い生活は、良い仕事を生む。

仕事でもそうだが、工程バランスの良い製品は、壊れにくく、付加価値の高いものである。

これは、従業員全員が心身ともに健康でなければ成しえないと考えている。それは、モノづくりは「人づくり」と考えるからだ。

わたしは、協働で部門を調和させることで、明日への投資をできる技術支援をしたいと考え、まずは身近な「自分」磨きを大切にしたい。