2017年11月10日金曜日

【No42】近畿の中小景気改善!?


「近畿の中小景況、5期連続改善」(7~9月日本公庫調べ)によると、7~9月期の業況判断指数(前年同期と比べ「好転」と答えた割合から「悪化」を引いた値)は、4~6月期に比べ3.6ポイント上昇のプラス11.9となった(5四半期連続で改善)。水準は2014年1~3月期以来、3年半ぶりの高さとのこと(日経1021日記載より引用)。

つづきに「海外経済の拡大傾向で輸出と生産が好調。これを受けて製造業の業況判断指数が3.7ポイント改善のプラス12.8となり、全体をけん引した。訪日客消費の盛り上がりなどもあって非製造業は3.0ポイント改善のプラス11.3になった。」とある。

 これは何を意味するのかというと、国内需要は横ばいまたは低下している(書いてはいないが、事実)が、外需により景気が向上しているということ。

 つまり、企業業績は向上しており、いつかは「給与」に反映されるということだ。しかし、ここ1年、そのような状況が進んではいるが、一般の給与所得者には実感が薄い。それはそうであろう、企業が「失われた20年」で「内部留保」という保険を蓄える体質が従業員への還元を浸透させないのである。

 ただ、このまま外需による景気拡大は続くため、これを機に海外進出企業が増え、景気動向が国内需要だけに左右されない、従業員への給与拡大の可能性はある。大変喜ばしいことだ。

 しかし、世間は甘くない。いくら技術力が優れていても「顧客を勝ち取る商品」にはなれないからだ。「需要と供給のバランス」が国外にでると違いが一目瞭然となり、日本流では太刀打ちできない、または今はいいが、継続した売り上げを上げることができない問題に必ずぶつかるだろう。

 私も中小企業で海外工場を立ち上げた経験はある。しかし、働く従業員の考え方、モノを消費する人の考え方の違いは、やはり大きい。

 家族とともに過ごす時間を大事にして、定時に帰ることが当たり前な感覚、対価に見合う報酬でなければ、給与のいい職に変わることも日常。 やっと一人前の人が、スキルアップを理由に高額な給与を求めてくる・・・・・など様々。日本では考えられないことが非常に多い。

 この現実の理解と情報活用能力が経営者には問われている。特にグローバル化は世界から見てかなり後発な状態。うかうかしていると則られる勢いがある。

 また、モノづくりはどうだろう。これも日本民族のDNAにある「すりあわせ」という感覚はない。先ほど述べたように、メリットのあることは何か?それは正当な対価か?といった海外の人との価値観の違いが、ギャップを生み「すり合わせ」を得意としてきた日本型モノづくりは通用しなくなる。

 そこで、国内生産と海外生産をバランスよくすることを提案している。

 標準化されたモノでかつ、地産地消が可能なモノは海外で、すり合わせの必要なモノづくりは、国内で。

 これは、強みを生かし、社内外状況を把握・分析していればできる。高度なモノづくりはまだ、日本には勝てないものが多い。いつかは越されていくものはあるだろう。しかし、「すりあわせ」人材を多く生み出す仕組みと内外需要をバランスよく取り込む体質を作る企業は、必ず生き残る。

 すり合わせ=協働が日本のDNAで真の中小企業景気回復になると考える。

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