受験指導で展開すべき内容を臨時版で紹介します。
シーズン2の10回目は、「専門知識問題回答事例」です。
模範解答は
「合格論文でない」
ことをわかって読んでください。
書き方の指導という認識で、技術士の模範解答は作られます。
なぜか?
それは、業務の守秘義務があるから。
技術士試験は、
業務の適正化
を主眼に置いて解答します。
業務の適正化をもって
科学技術の向上
国民経済の発展
に資するのです。
そのため、解答要件にある
「業務」
について書けない模範論文は、
「書き方」の模範解答
ということになります。
ご注意ください。
【問題】機械-機械設計科目(H25)
QFDの概要と実施方法を説明し、製品開発に活用する場合の
期待効果を述べよ。
【答案例】
1.QFD(品質機能展開)の概要と実施方法
QFDとは、顧客が重点をおくべき要求品質を把握し、
設計に結びつけ最終製品に反映させる手法である。
代表的な顧客の要求を技術の品質要素に変換する
「品質表」を表1に、技術の品質要素を
要素部品に展開「技術展開表」を表2に、
携帯電話を例に実施方法を示す。
表1.品質表
表2.技術展開表
QFDは、上記以外にコスト展開、信頼性展開、業務機能展開で構成され、
製品開発で有効なツールである。
2.製品開発に活用する場合の期待効果
QFDは、既存製品の改良型開発だけでなく、既存製品とは全く異なる新製品の
開発や次世代製品の開発にも活用できる。以下にその期待効果を示す。
1)改良型開発:顧客満足度の向上による顧客拡大。
2)新製品開発:他社よりQCDSEで優位に立つ製品を早期に市場投入することが可能になる。
3)次世代製品開発:事業企画段階で実効性評価するフィージビリティ・スタディと組み合わる
ことで、他社に比べて革新的な製品開発を実現できる。 以上
解答要件は満たしています。
あとは知識の配分です。
ポイントは、
「活用」
「期待効果」
です。
来年度から試験が変更になります。
その評価項目には、
技術士に求められる資質能力のうち
「専門的学識」
「コミュニケーション」
が当てはまります。
共通キーワードは
「業務」です。
業務で必要な
知識を使いこなす(専門的学識と応用能力)
があり、多様なクライアント
と明確かつ、効果的な意思疎通を行うこと(活用と効果)
が求められています。
今年の試験も、
上記を意識した
解答を求められます。
実は、毎年解答要件は同じです。
単に明文化されただけです。
出題の文言に変化はあるかもしれませんが、
意図は同じです。
惑わされないよう注意してください。
次回は、筆記の書き方シリーズ(Ⅱ-2)で行きます。
お楽しみに。
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