2018年2月16日金曜日

【No107】第6回_技術士が考えるISO9000sとは


今日は、「ISO9000s」です。

なぜ、ISO?と思われますよね・・・

1990年代後半からの時代の商流は

「グローバルスタンダード」

です。

国際化の波に乗るには、各国共通の考え方

「スタンダード」

が必要なのです。

つまり、国際間の取引をスムーズにするために共通の基準を決めるのが

ISOという国際標準化機構なのです。

ISOは最上位の規格です。

ISOのほかには、IEC(国際電気標準化会議)が有名です。

知識として、標準にはこのISOのような公的な標準である

デジュリスタンダード

と業界独自の規格などの

デファクトスタンダード(事実上の標準)

とあります。

覚えておきましょう。

では、ISOの目的はというと、

1)異なる国と国の間でビジネスを円滑にするため。

2)標準化により、誰にでも基準がわかりやすくなるため。

3)標準化により、購買先を評価するための目安にするため。

4)国家間の経済活動を技術的・社会的に発展させるため。

です。

現在、ISOは無視できない規格です。

お手本となる「標準化」をうまく利用して、

独自のISOのマネジメントシステムの構築

が経営競争力の向上につながります。

ここで、ISOの規格の構成を簡単に。

ISOには、

「工業製品」:個別製品の規格

「マネジメント」:マネジメントシステム(監理や仕組み)に関する規格

があります。

ISO9000sの名称は、「品質マネジメントシステム:QMS」です。

規格番号として、

ISO9000:基本及び用語

ISO9001:要求事項

・・・・

があります。

ISO9001:品質マネジメントシステム以外の規格として

ISO14001:環境マネジメントシステム

ISO27001:情報セキュリティマネジメントシステム

などがあります。

詳しくは、下記を参照ください。


ISOにある規格に適合しているかどうかを「認証制度」により示します。

外部の審査機関が来ますよね。

規格の適用状況とその組織にあう運用かどうかのアドバイスをしてくれます。

基本、要求事項である「ISO9001」を元に審査してくれます。

この要求事項と実際の業務にギャップがあると

ISOの取得のための業務になり、本末転倒になります。

ISOの要求事項は、継続改善です。

日々進歩している技術や要求事項を満たすために経営者・組織は

継続的に改善していかなければならない。

改善を行うことで、国際競争力、市場競争力が向上する。

そのような仕組みなのです。

ISOのための規定やマニュアルは改善しましょう。

私も最初はISOのためのマニュアルや規格を作成していました。

ところが、審査前になると全くできていないことが多く、

つじつま合わせの帳票を作った記憶があります
(過去のことなので、時効としてください)。

外部審査時に

「御社が発展し続けるためのマニュアルや規格、PDCAサイクルを構築
しなおしてください。」

という風に言われました。

また、重大な品質事故が発生した時、

取引先の品質管理部門責任者からも

「日々で運用・改善できる規格化を」

ということを同時に指摘されました。

ラッキーだったと思います。

それからは、顧客重視のものを提供する

「プロセス」

について、見直しました。

プロセス通りの業務が実施されていれば、顧客満足につながる考えです。

そのために、

1)顧客重視の品質方針を見直し

2)各役割の責任と権限を明確に(のちに、モチベーションへとつながる)

3)規格や規定類の運用とのギャップの洗い出し

4)改善の方向性をむりなく「品質」重視が可能なプロセスを検討

5)同時にリスクとその対応について計画を策定

6)組織のスキルを明確にして、強みの強化と弱みの補強を行う教育・改善

7)小さな不適合やトラブルでもだれがどのように行うか明確にして、
          漏れをなくす

8)同時に対処法も明確に

9)プロセスを中心に評価し、改善の方向性を決定(仕組みが悪いことを改善)

10)同時に顧客要求や社会情勢を踏まえたシステムのバージョンアップをして
          いく。

これらを全社で気付き・改善していく

「雰囲気」を作ること

「資源の提供」

を経営者や管理者は重視する。

これが、ISO9000sである。

退職後なので詳細状況は不明ですが、仕組みが定着しているようです。

維持・発展する仕組みづくり・・・

これがISOです。

次回は「標準化」について書きます。

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