2018年2月15日木曜日

【No106】第5回_技術士が考えるTQMとは


今日は、品質管理の考え方(TQM)です。

TQMは、組織のトップとともに品質方針に基づいた

品質計画、品質管理の実践、品質保証、品質改善

というステップがあります。

通常は、PDCAサイクルとして運用され、

プロセスを作り込み、

データの蓄積と再発防止による

組織の維持・発展にとどまらず、

顧客満足を与える一連の活動です。

ここで重要なのは、「プロセス」です。

PDCAの時にお話しした「品質は工程で作り込む」

という考え方のもとで、

そのプロセスの向上手法として、

15S

  「整理・整頓・清掃・清潔・しつけ」です。

  整理:いらないものを処分すること。

整頓:いるものを使い易い場所にきちんと置くこと。

清掃:きれいに掃除して、いつでも使えるようにすること。

清潔:整理・整頓・清掃を維持し、誰が見てもわかりやすい状態に保ち、

その状態を保とうという気持ちにさせること。

しつけ:ルールを守り、習慣づけること。

経済性と安全性(QCDS)を高めるための最も基本的な事項です。

意外とできない企業が多いことがびっくりです。

2)標準化

  業務では、
        常に「検索」「戸惑い」「思い出し」「誤り」など
  を繰り返します。

  それらばらつきの要因となることをルール化し、
  手順化したものが標準化です。

  標準化したものは、誰でもいつでも品質維持して生産できることを
  目指しています。

  5Sができたら、「標準化」です。

3)個々のプロセスを問題解決するステップ

  QCサークルなどの問題解決する方法をQCストーリーといいます。

  8つのステップがあります。

  ①目的の明確化

  ②現状把握と目標設定

  ③計画

  ④原因究明

  ⑤対策検討と実施

  ⑥効果の確認

  ⑦標準化と管理の定着(歯止め)

  ⑧今後の対応(フィードバック)

  この時、統計的な考え方や手法として、

数値データ分析を得意とする「QC7つ道具」や

言語データを得意とする「新QC7つ道具」

を用いることが重要です。

前者はチェック段階、後者は計画段階で使用します。

統計的手法でも設計段階で良く用いる「実験計画法」は有名ですね。

4)組織のプロセスを問題解決するステップ

  方針管理、プロジェクトマネージメント、改善提案制度、機能別管理など
  です。

  これも標準化を通した管理や個別の取り組みの水平展開、

  組織の方針の適合といった全体最適の取り組みです。

があります。

ISO9000sはこの「標準化」活動です。

ISOにある「要求事項」を満足する標準化ができていれば

「認証」

されます。

中小企業経営者の中には、反ISOの方がいらっしゃいます。

日本独自の「すりあわせ文化」とのギャップです。

「あうんの呼吸」主義の我が国には、必要とされていないという考えです。

グローバル化と競争激化の中では、

いいものを

よりやすく

最短で

ということが必須となっています。

もう、当たり前です。

だから、海外でも作れる付加価値の低くなったもの

には「すりあわせ」に限界があります。

そういうものには「標準化」が必要です。

また、新しいものを品質よくスピーディーに市場投入するにも

標準化は重要です。

標準化は、一部署ではできないのです。

TQMでオリジナルの標準化をしていきましょう。

ところで、技術士試験でよく見かける

課題を「標準化」

としている人がいます。

標準化するために具体的にすべきことを「課題」としてください。

技術士試験の標準化は、目的です。

これがわからないと、技術士にはなれません。

目的の定義、課題の定義を精査してみてください。

次回は「ISO9000s」です。

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