筆記は、「技術士制度における総合技術監理部門の技術体系(第二版)」(以下、青本)
の1章中に書かれている
(1)総合技術監理に要求される背景
(2)総合技術監理に要求される能力とその養成
(3)総合技術監理の要素技術としての総合管理技術
(4)プロフェッショナルとしての倫理観と国際的視点
(5)技術士の基本的要求事項
に沿った問題文からできている。
複雑な書き方をしているが、このP2~5の内容を理解していることが合否の分かれ目である。
それを証明するために、平成29年度問題を分析し私なりに考えてみた。
下記示す青本の重要キーワードと比較していただきたい。
【平成29年度筆記試験分析による私の考え】
(1)平成29年度のテーマ
事業が対象としている経済、社会、環境など持続可能性について
事業が目指している社会ニーズの充足や目的とする成果物の創出を想定する
(2)平成29年度の課題で求める論文の姿
テーマを実現するために、総監技術士がしなければならないこととは何か?科学技術の発展と社会のニーズ変化に伴う要求事項の変化等により、
対象とする科学技術の効用は変化している。
過去の課題は、現在に比べ個別の技術開発や技術改善で影響を小さくすること
ができた。
しかし、現在の科学技術の複雑さ・巨大化・総合化が進展し、それらを個別の
技術開発や技術改善のみで課題解決することは難しくなっている。
解決には、組織内外要因を分析・把握し、技術の改善やプロセスの合理化により、
組織活動が技術の有効性を発揮できる総監の5管理が必要になっている。
さらにこのような状況の中で、事業や社会を将来にわたり持続可能にするために
将来起こりうる事業への影響と課題を的確に想定し、課題が顕在化した場合の影響
把握と地球規模でその正負の影響を踏まえた改善策の策定が総監には求められている。
つまり、技術が滞りなく行うためのリスクマネジメントを5管理で想定し、
正負両面の影響を把握・分析することで、総監技術での目標、課題と問題点
及び改善方策を示せることを論文で示す必要がある。
※実際の問題文はここ参照。
【青本の1章キーワード抜粋】
(1)必要とされる背景のキーワード
①科学技術の巨大化・総合化・複雑化
②社会の要求に応え、科学技術を管理し、組織活動を継続的に運用していく
③業務全般を見渡した俯瞰的な把握・分析に基づいて、技術の改善及びより
合理的なプロセスによる
④複数の要求事項を総合的な判断により全体を監理していく
(2)範囲のキーワード
①技術業務全般を見渡し
②安全性や経済性などに関する総合的な判断に基づいた管理を行うことが可能な
技術者
③総合技術監理を実施する者は、その組織活動やプロジェクトの内容毎に、
優先順位や実施手順などを検討し、必要にして十分な監理を実施する
④総合的な判断に基づく監理を行うには、経済性管理、人的資源管理、情報管理、
安全管理、社会環境管理を総合的に行う
(3)要求される能力のキーワード
①業務全般の俯瞰的な把握・分析に基づき、広範囲にわたる技術業務全般に
対する総合的な判断を行うとともに改善策の策定を行える能力
②各管理に対する個別の検討を行うことは当然
③各管理の目的に照らし合わせて互いに相反する選択肢が発生
④総合的な視点からの検討を行い、それによって経営全般を勘案した
マネジメントに資する判断を行う
⑤5つの管理技術などを個別に理解するとともに
⑥総合的に勘案して判断する洞察力を身に付ける必要
⑦そこ能力は、組織活動や社会の要求を十分に理解しその技術を組織活動の中で
発揮することが前提
⑧正しい知識の習得と日々の実践の両輪が、真の総合技術監理能力の養成のため
に要求
⑨その技術力の向上を図る努力は常に継続されなくてはならない
(4)プロフェッショナルとしての倫理観と国際的視点のキーワード
①技術者倫理については強い自覚を持ち
②国際規格の動向を把握しその走行性を理解する
③その国の情勢や文化に対する理解を深め、組織活動や事業の安定的な継続に
資する
(5)基本的要求事項のキーワード
①経済性管理 品質納期コスト(QCD)のバランス
②人的資源管理 人の活用
③情報管理 (意思決定のための)情報の活用
④安全管理 安全性の確保
⑤社会環境管理 外部環境負荷低減
なにか見えてきますか?
毎年、テーマは異なりますが「青本1章」に基づく解答要件が満たされていればよいこと
がわかると思います。
総監は、深く考えた者がまけです。
正しいキーワードを、総監の背景を踏まえた回答を問題文の要求通りにテーマに沿って
書けばいいのです。
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