2018年6月19日火曜日

【No230】<技術士あるある臨時版> 【技術士二次筆記対策シーズン2.0】これだけ!?10日でできる!筆記(選択科目Ⅱ-2)の書き方!!


受験指導で展開すべき内容を臨時版で紹介します。

シーズン310回目は、「応用能力問題回答事例」です。

何回も書きますが、

模範解答は

「合格論文でない」

ことをわかって読んでください。

書き方の指導という認識で、技術士の模範解答は作られます。

なぜか?

それは、業務の守秘義務があるから。

技術士試験は、

業務の適正化

を主眼に置いて解答します。

業務の適正化をもって

科学技術の向上

国民経済の発展

に資するのです。

そのため、解答要件にある

「業務」

について書けない模範論文は、

「書き方」の模範解答

ということになります。

ご注意ください。


【問い】平成29年度の機械設計の問題(改)

製品の軽量化材料として、従来の鋼より高強度な鋼、

比強度の高い金属材料や複合材料の適用が進んでいる。

製品開発の機械設計の責任者の視点で、

専門とする製品を大幅な軽量化設計を進める場合、

以下の問いに答えよ。

1)製品を1つ定義し、適用する具体的材料を2つ挙げ、

  その選定理由を述べよ。

2)(1)のうち1つの材料について、設計において検討すべき

  事項を述べよ。

3)(2)を進める上での留意点を述べよ。


【模範論文例】

1.大幅な軽量化設計をする製品と適用材料

(1)搬送ロボット:搬送速度は、〇m/秒で速度30%向上と

位置決め精度±2㎜維持が求められている。

そのため、従来のSS400製フレームをアルミ又はCFRP材料で

30%軽量化する。

軽量化により従来の制御機器の仕様を維持しつつ、高速でかつ

位置精度維持を目指す。

2.適用する具体的材料・選定理由

(1)アルミ(A6000系): 機械強度(耐力SS400 同等など)

及び加工性、コスト、入手性を配慮したA6061を選定する。

(2)CFRP(炭素繊維強化):鉄の1/5の比重で、2倍の剛性を持つため、

形状の簡素化や減肉化の可能性があるCFRPを選定する。

3.設計検討事項

(1)材料の選定:CFRP

 従来の強度よりも高い強度材料を使うことが、減肉及び形状見直しによる

軽量化効率が大幅に向上する。

(2)フレーム設計する検討プロセス

①構想設計:製品要求事項に合わせて、品質へ機能展開するプロセス。

品質機能展開を用いる(表1)。



②概要設計:外形設計、機構設計、強度設計を行い、技術品質を満たす

設計に具体化する。

概要設計の課題は、フェールセーフ、フォールトレイランス設計で、

様々な不具合要因の分析が十分でない問題がある。

③詳細設計:概要設計により、設計したフレームや機構部などを

具体的な加工指示を行う。

④評価・検証:設計評価データから設計の妥当性確認を①、②の仕様を

元にDRする。

 概要設計が製品の信頼性には重要で4M(人、設備、材料、方法)を

切り口として、表2に示す4点FMEA(故障モードと影響解析)を用い分析する。




使用している部品の故障モードに対して、絶対評価でその深刻度、頻度、

検出困難度について対策の必要性を4点満点でつける。

その積の3乗根をとった危険指数(RI)にて評価する手法である。

2.3以上は信頼性およびトータルコストに問題があり対策を実施する。

4.設計検討(解決策)を進めていく上での留意点

(1)コンカレントエンジニアリング(CE):①構想設計段階から、

生産・メンテナンス・品質部門の関係者が情報共有する必要がある。

その時、PDCAに留意する。

(2)DR:設計のインプットである要求仕様と技術仕様を

①構想設計で妥当性確認をする必要がある。

その時、顧客要求仕様の見直しによる設計条件の変更に留意する。 

以上

解答要件は満たしています。

ポイントは、

「機械設計責任者」

「大幅な軽量化」

です。

来年度から試験が変更になります。

その評価項目には、

技術士に求められる資質能力のうち

「専門的学識」

「マネジメント」

「コミュニケーション」

「リーダーシップ」

が当てはまります。

共通キーワードは

-1同様「業務」です。

業務で必要な

知識を使いこなす(専門的学識と応用能力)

があり、多様なクライアント

と明確かつ、効果的な意思疎通を行うこと(活用と効果)

が求められています。

今年の試験も、

上記を意識した

解答を求められます。

実は、毎年解答要件は同じです。

単に明文化されただけです。

出題の文言に変化はあるかもしれませんが、

意図は同じです。

惑わされないよう注意してください。

次回は、筆記の書き方シリーズ(Ⅲ)で行きます。

お楽しみに。

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