リスクアセスメントの変化をおさらいしましょう。
【現在】 【過去】
ISO
Guide 73:2009 ISO/IEC Guide73:2002 JIS Q 2001:2001
リスク特定 リスク特定 リスク発見
リスク特定 リスク因子の特定 -
- - リスク特定
リスク分析 リスク算定 リスク算定
ISO31000(ISO Guide73:2009)では、
(1)リスク特定
(2)リスク分析
(3)リスク評価
を網羅する船体のプロセスが「リスクアセスメント」と定義されています。
ひとつずつ解説します。
(1)リスク特定
リスクを認める作業として、まず組織は
①リスク減
②影響範囲
③ある事象の可能性と原因
④起こりえる結果
を特定します。この段階が重要です。
なぜなら、リスクの漏れがあれば、対応限定的になるからです。
手法として、
①プレーンストーミング
②インタビュー
③アンケート調査
④組織に影響を及ぼす可能性がある未来の事象とその結果、
もたらす原因や内外環境を列記する。
⑤予想される結果(損失)だけに着目して検討
などがあります。
(2)リスク分析
次のことを検討する。
①リスク原因
②リスク減
③正の効用・負の効用(結果)
④結果の起こりやすさ
⑤結果及び起こりやすさに影響を与える要素
ただし、組織の状況により
定性的・定量的等を意識することが重要。
次にリスク分析の代表的な手法を述べる。
①FMEA
②FTA
③ETA
④リスク・マトリックス
がある。詳細は、専門書を読んでください。
(3)リスク評価
ここでは、リスクの大きさが受容可能か?を判断するため、
「リスク分析」の結果を「リスク基準」と比較します。
よく、発生頻度が低いから、結果が甚大でもどこまで対応すべきか?
ということを聞く。
答えは「組織の内外状況を把握して、リスク基準をまとめて適切に対応する」
になります。
基本は、「高リスク」で扱うべきでありますが、対応の方法は上記の判断
となります。
最後に、リスク対応について述べます。
「リスク高い=リスク低減」でないことだけ理解ください。
ISO31000では、リスクをとるまたは増加させること、
つまり正の効用を含めているため発生するからです。
また、ステークホルダーや内外環境、価値観やリスク認知、コミュニケーション
といった多様な視点での配慮によって、対応は変化します。
従来のリスク対応は、
①リスク回避
②リスク低減
③リスク移転
④リスク保有
でした。
ISO31000では、
①リスク回避
②機会の要求として、「リスクを取る又は増加させる」
③リスク減の除去
④起こりやすさを変える
⑤結果を変える
⑥リスク共有
となりました。
リスク低減は③④⑤に分散されました。
また、残留リスクに対する対応方針の決定もあります。
技術士総監試験で「新旧リスクマネジメント」どちらを使用してもよい
と今はなっていますが、今後ISO31000に準じないと不合格となるでしょう。
しっかり、咀嚼して実践してください。
次回は「第7回_応用分野_内部統制」です。
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