2018年2月3日土曜日

【No94】第6回_リスクアセスメント


リスクアセスメントの変化をおさらいしましょう。
 【現在】          【過去】

ISO Guide 732009     ISO/IEC Guide732002    JIS Q 20012001

リスク特定         リスク特定         リスク発見

リスク特定         リスク因子の特定        -

  -             -           リスク特定

リスク分析         リスク算定         リスク算定



ISO31000ISO Guide732009)では、

1)リスク特定

2)リスク分析

3)リスク評価

を網羅する船体のプロセスが「リスクアセスメント」と定義されています。

ひとつずつ解説します。

1)リスク特定

 リスクを認める作業として、まず組織は

 ①リスク減

 ②影響範囲

 ③ある事象の可能性と原因

 ④起こりえる結果

 を特定します。この段階が重要です。

 なぜなら、リスクの漏れがあれば、対応限定的になるからです。

 手法として、

 ①プレーンストーミング

 ②インタビュー

 ③アンケート調査

 ④組織に影響を及ぼす可能性がある未来の事象とその結果、

  もたらす原因や内外環境を列記する。

 ⑤予想される結果(損失)だけに着目して検討

 などがあります。

2)リスク分析

 次のことを検討する。

 ①リスク原因

 ②リスク減

 ③正の効用・負の効用(結果)

 ④結果の起こりやすさ

 ⑤結果及び起こりやすさに影響を与える要素

 ただし、組織の状況により

 定性的・定量的等を意識することが重要。

 次にリスク分析の代表的な手法を述べる。

 ①FMEA

 ②FTA

 ③ETA

 ④リスク・マトリックス

 がある。詳細は、専門書を読んでください。

3)リスク評価

 ここでは、リスクの大きさが受容可能か?を判断するため、

「リスク分析」の結果を「リスク基準」と比較します。

 よく、発生頻度が低いから、結果が甚大でもどこまで対応すべきか?

ということを聞く。

 答えは「組織の内外状況を把握して、リスク基準をまとめて適切に対応する」

になります。

 基本は、「高リスク」で扱うべきでありますが、対応の方法は上記の判断
となります。

最後に、リスク対応について述べます。

「リスク高い=リスク低減」でないことだけ理解ください。

ISO31000では、リスクをとるまたは増加させること、

つまり正の効用を含めているため発生するからです。

また、ステークホルダーや内外環境、価値観やリスク認知、コミュニケーション
といった多様な視点での配慮によって、対応は変化します。

従来のリスク対応は、

①リスク回避

②リスク低減

③リスク移転

④リスク保有

でした。

ISO31000では、

①リスク回避

②機会の要求として、「リスクを取る又は増加させる」

③リスク減の除去

④起こりやすさを変える

⑤結果を変える

⑥リスク共有

となりました。

リスク低減は③④⑤に分散されました。

また、残留リスクに対する対応方針の決定もあります。

技術士総監試験で「新旧リスクマネジメント」どちらを使用してもよい

と今はなっていますが、今後ISO31000に準じないと不合格となるでしょう。

しっかり、咀嚼して実践してください。

次回は「第7_応用分野_内部統制」です。

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